月経・更年期

月経・更年期 · 31日 5月 2025
中国医学では月経中の血塊を「血の滞り」と考えます。これは専門用語では「瘀血」と呼ばれ、さまざまな病気の原因となるとされます。この瘀血の原因としては、ホルモンバランスの変化やストレスによって、気と呼ばれるエネルギーの巡りが悪くなる場合と、冷えによって末梢の血管が収縮して血の循環不全を引き起こす場合などが考えられます。また加齢や、怪我、手術でも瘀血は生じることがあるので、一口に瘀血といっても原因や治療法は個々のケースで違ってきます。そのため血塊が出ていれば機械的に瘀血の薬である桂枝茯苓丸を使えば無問題というわけにはいかないのが現実です。もし1.月経中の暗紫色の血液、2.月経中の強い下腹の痛み、3.舌が暗い色で紫の色素沈着がある、4.目の下のクマやシミが顔に多い、5.慢性的な肩こりなどがある場合は体内で瘀血が生成されている可能性が高いため、適度な運動やストレス発散を行い、体を冷やさないように気をつけましょう。一方でこれらの対処法単独では瘀血を改善することは難しいため、心当たりの方は是非早めにトカゲ堂医院までご相談下さい。
月経・更年期 · 29日 5月 2025
五月病は四月からの新生活や環境の変化によるストレスがつもり積もって、連休明けにあらわれる無気力や倦怠感のことです。春は中国医学では発散と上昇の季節で、本来は体内の気の動きも外向的で活発になるべきです。しかし新しい環境への適応がうまくいかないと気の巡りが悪くなって、発散と上昇をつかさどる肝臓の気が鬱滞して抑うつ感が生じるのです。多くの場合これと連動して胃腸の機能の低下も生じるため、深呼吸、柑橘系のアロマ、軽い有酸素運動などによるストレス発散に加えて、胃腸の機能を低下させるスイーツなどの甘い菓子を控えることが重要です。つまり生活習慣や心のバランスを整えることが重要になりますが、気の巡らせて胃腸の機能を助ける漢方を服用することでそのプロセスを促進することができます。この時期、倦怠感、無気力、抑うつ感でお悩みの方は早めにトカゲ堂医院にご相談下さい。
月経・更年期 · 26日 5月 2025
女性は月経のため男性に比べて血が不足しやすい傾向があります。ここに仕事や家庭のストレスが加わると熱が体内で発生します。さらに普段から辛いものを好んで食べていると、辛味による熱が体内で発生した熱に加わって増幅されます。またスィーツを好む女性は甘味により胃腸の機能が低下することで湿気が皮膚近くに停滞して体内の熱の外出を妨げます。中国医学ではこのような仕組みで蕁麻疹が出現するとかんがえられており、治療としては熱を外部に発散させるとともに、血を補って内部の熱を冷まします。ただし寒冷刺激や疲れが原因となる場合もありますので、しっかりと診察してタイプを見極める必要があります。蕁麻疹でお悩みのかたは早めにトカゲ堂医院にご相談下さい。
月経・更年期 · 23日 5月 2025
ホルモンバランスの乱れやストレスなどにより気と呼ばれる生体エネルギーの流れが滞ると、血の循環も悪くなり皮膚近くの毛細血管に気と血が停滞します。これは瘀血と呼ばれ、顔面の色素沈着の原因となります。また過労や加齢により五臓六腑の一つである腎臓の機能が低下すると、下半身から上半身へと送られる気の量が減少して顔色が悪くなり、肌の代謝も低下します。ここに長年の日光への曝露により、熱が加わることで皮膚の老化やシミの形成が促進されると中国医学では考えられています。十分な休息やストレスを避けることが前提ですが、漢方では辛味の薬味を用いて停滞した気血を巡らせるとともに、腎のエネルギーを補います。また状況に応じて皮膚近に停滞した血に加わった日光や体内で発生した熱を冷ますような治療を行います。ただしシミは通常のエキス剤のみではなかなか改善しないことも多いのでトカゲ堂では体質に応じて薬草のお茶をプラスアルファで煎じて内服していただくようにしています。
月経・更年期 · 22日 5月 2025
月経後は子宮からの出血にともなって物質的な血液を消耗します。これは西洋医学的な考え方ですが、中医医学では『血』を単に生理的に観察可能な物質としてとらえるのではなく、生体エネルギーの一種である『気』をともなった物質的かつ観念的な要素と考えます。そのため月経により血を消耗すると、活動に必要なエネルギーが不足するとともに、精神状態が不安定になったり、集中力が低下したりします。そのため漢方では物理的な液体成分としての血を補うとともに、エネルギーとしての血も同時に補うことで『血』の不足に対応します。しかし多くの場合で血の不足に加えて気や血の停滞を兼ねるため、単に血を補うだけでなく個々の状態に応じて薬味を調整する必要があります。したがって月経後の倦怠感でお悩みの方は早めにトカゲ堂医院までご相談ください。
月経・更年期 · 19日 5月 2025
ホットフラッシュはのぼせの一種で顔から後頭部にかけての強い熱感に加えて発汗と動悸をともなう症状です。またカースー病といって、強いのぼせにともなう発汗の後に若干の寒気や清涼感をともなうパターンもあります。これは更年期にともなうホルモンバランスの変化が原因となることが多いのですが、過労、睡眠不足、ストレスも原因となりえます。中国医学では陰虚という症状に属することが多く、甘味で冷やす作用のある生地黄、女貞子、旱蓮草、天門冬、玄参、亀板などを用いて体の冷却機能を正常化させることが基本となりますが、肝臓から発生した熱や気の滞りが原因となることもありますので、詳しい診察が必要になります。のぼせ、ホットフラッシュ、カースー病でお悩みの方は早めにトカゲ堂医院までご相談ください。
月経・更年期 · 12日 5月 2025
肌荒れやニキビは甘いものや辛いもの、睡眠不足、ストレスなどが原因となって生じますが、月経(生理)にともなう体の変化からも大きな影響を受けます。一例として月経前は子宮に血が集まる関係で血に熱が蓄積する血熱という状態を呈することが多く、この熱により肌荒れが生じます。この熱も体内に熱が旺盛になって生じている場合と、下半身が冷えて追いやられた熱が上半身に停滞して生じる場合(冷えのぼせ)があるためしっかり診断をして、体質に合った漢方を服用しなければなりません。冷えているのに冷やす薬を飲んだり、熱がこもっているのに温める薬を飲んでしまうと大変です。ですから肌荒れでお困りの方は早めにトカゲ堂医院までご相談ください。
月経・更年期 · 17日 4月 2025
女性は月経にともなうホルモンの変動や、気分の変調がが腸に及ぼす影響から便秘になりやすく、内科や薬局で入手した便秘薬を内服している方が多いようです。西洋薬は酸化マグネシウムやセンノシドが含まれたものがほとんどですから、基本的には漢方の芒硝、大黄、センナ、アロエなどと類似した成分です。しかし西洋薬や薬局の漢方薬は便を出す成分だけが含まれているものが多く、これらによる腸管への刺激作用や腸管壁から水分を奪う作用により、長期の服用で腸管の蠕動低下や陰虚と呼ばれる身体の乾燥や冷却機能の低下を引き起こします。したがって中国医学では長期的に下剤を用いる場合は、こういった副作用を起こりにくくするために腸管壁に水分を補給する薬味や、腸管の蠕動運動を促進する薬味を下剤と組み合わせることで、下剤の量を最小限に抑えられるように工夫します。とはいえ腸管メラノーシスなどの影響が出ることもありますので定期的な検査が必要です。したがって頑固な便秘でお悩みの方はむやみに便秘薬の量を増量したりせずにトカゲ堂医院にご相談ください。
月経・更年期 · 10日 4月 2025
月経前はプロゲステロンというホルモンが増加することで腸の運動が緩慢になり便秘が生じやすくなります。またこのホルモンは水分を溜め込む作用があるため、腸内の水分量が低下して便が硬くなりやすくなります。中国医学的にこれを考えてみましょう。月経前は子宮に血が集まりますが、血は熱を含んでいるので、増幅された熱が胃腸に波及して腸の乾燥を引き起こすと考えられています。また子宮に血が集まることで、物理的に血の不足が引き起こされて腸の潤いが低下すると考えても良いでしょう。漢方では当帰、芍薬、地黄、阿膠、何首烏、桑椹など血を増やして腸を潤す薬味に腸の熱をさる苦味の薬味を加えて便秘に対応します。ただし気血の滞りや、胃腸の機能低下などが原因となる場合もありますので、便秘でお悩みの方はトカゲ堂医院までご相談ください。
月経・更年期 · 08日 4月 2025
当院で更年期の寝汗やのぼせについで多い相談が、更年期の睡眠障害(不眠や中途覚醒)です。これは更年期のホルモンバランスの変化が睡眠を調整する神経伝達物質に影響を与えることが原因とされていますが。更年期は体の変化に加えて生活環境も変化しやすい時期であるため、身体的のみでなく精神的にもストレスがかかりやすくなります。そのため中国医学ではホルモンバランスの調整や、加齢にともなう陰陽の調整に加えて、ストレス対策を行うことで睡眠障害に対応します。基本的には陰の不足を補って陽の過剰を抑える方針を用いますが、個々の体質に合わせて心の作用を落ち着けるように調整したり、気の巡りをよくするように調整します。最近眠りが浅いと感じるようになった、もしくは寝ても疲れが取れないなどと感じている方は早めにトカゲ堂医院までご相談ください。

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