漢方薬:エキス剤と煎じ薬
漢方薬には煎じ薬を始め丸薬や粉末薬など様々な形態がありますが、一般的にもっとも普及しているのが濃縮粉末を分包したエキス剤というものです。
エキス剤は携帯が容易で苦味もある程度おさえられているため気軽に服用することができます。エキス剤のもう一つの利点として保険で処方できるということがあります。通常の漢方治療は自費診療となることが一般的であり比較的薬代がかかりますが、エキス剤なら最も高いものでも一日の自己負担が100円を超えることはありません(1種類のみ処方した場合)。
煎じ薬は苦味も強く煎じる手間もかかりますが、既製品のエキス剤とちがってあなたにピッタリな処方を調合することができます。いわば究極のオーダーメード薬です。
そのため煎じ薬はエキス剤の2〜4倍程度の効果を期待できると私は考えています。難治性疾患や急性疾患にエキス剤よりも煎じ薬をおすすめする理由がここにあります。
薬局によっては煎じ薬のレトルトパックを提供することもできますので希望される場合はご相談ください。
一方、煎じ薬は保険診療で認められている第一類医薬品以外の食品に分類されている薬草を組み合わせることが多いため、全体のうち食品や第二類医薬品に該当する部分に関しては指示箋を参考に薬局にてご自身で購入していただくことになります。
煎じ薬は症状により使用する薬の種類と量が異なるため値段には幅があります(一般的には一日¥500前後です)。
鍼灸:鍼と灸
鍼灸は読んで字のごとく、鍼と灸を組み合わせる治療のことです。当院では0.1〜0.2mmとかなり細いディスポ鍼をつかって手足や体幹のツボを刺激して治療をおこないます。
当院の治療方針は身体全体の状態を改善させることに重きをおいているため、痛みのある部位に直接鍼を刺すことはほとんどありません。最初は驚くかもしれませんが、肘や膝より下のツボに鍼を刺すだけで症状は改善します。
通常皮膚に刺さる痛みはほとんどありませんが、深部の筋肉に刺さるときにズーンという響きを感じます。
神経が原因の疼痛には鎮痛や手術の他には有効な治療法がまだまだ少ないことが現状ですが、鍼や灸には傷害された神経を修復する作用があることが近年分かってきました。
一般的に一回の鍼灸治療の効果は2〜3日ですが、繰り返し治療を継続することであなた自身の自然治癒力が高まって効果が持続するようになります。ですから神経因性疼痛や慢性疾患においては、続けることで初めて効果を実感することができるのです。治療の次の日に症状がぶり返し、がっかりして通院を辞めてしまう患者さんもおられますがこれほど残念なことはありません。
(鍼灸のみの診療は行っておりません)
(鍼灸は保険の適応がないため、治療は自費になります)
(漢方薬との併用が必要と診断された方は、混合診療を避けるため同一日の鍼療は行えませんのでご注意ください)
(治療当日は肘や膝までが楽に出せる格好で来院ください)