
中国医学では環境や気候と体調に密接な関係があると考えています。そのため気圧、湿度、温度の変化は人体の生命活動に必要な「気」や「血」と呼ばれるエネルギー物質の動きや内臓の機能に大きな影響を与えます。たとえば梅雨の時期は雨が増えるため、環境中の湿気が増加して体のエネルギーの流れを緩慢にしてしまいます。これにより水分代謝を担当する胃腸の機能が低下して、体内にも湿気が増加するという悪循環を引き起こすのです。この湿気が上半身に停滞すれば頭痛や倦怠感を引き起こし、関節に停滞すれば関節の痛みを引き起こします。また湿気が胃腸に負担をかけることでめまいや食欲不振なども生じることがあります。自宅でできる対策としてはハトムギ、小豆、とうもろこしのヒゲなどのお茶を飲んだり、生姜やシナモンなどの香辛料や柑橘類を食べて気をめぐらせるとよいでしょう。漢方では体質に合わせて湿を除く薬味と気を巡らせる薬味の量を調整し、胃腸の機能低下がある場合は胃腸を鼓舞するような薬味を併用します。一口に気象病と言っても季節や体質によりさまざまなパターンがありますので、お困りの方は早めにトカゲ堂医院までご相談下さい。