
連日の猛暑で体調を崩す方が増えてきました。中医学では、熱中症を「暑邪」という邪気の侵入と捉え、体内のエネルギーや液体成分の消耗が大きな要因と考えられています。西洋医学では熱中症は体温の上昇や脱水などで説明されますが、中医学では以下のような大きく分けて二つのタイプに分類されます。
- 暑さにより大量の汗をかき、体内の津液と呼ばれる液体成分が消耗するタイプ。症状としては強い咽の渇き、ほてり、めまい、皮膚の乾燥、倦怠感などが現れます。
- 湿度の高い環境で消化器系がダメージを受け、気と呼ばれる生体エネルギーの巡りが悪くなるタイプ。症状としては食欲不振、胃の不快感、だるさ、吐き気、下痢などが現れます。
自分でできる中医学的な予防としては、気を補いながら利尿作用もある麦茶、清熱作用があり、体内の余分な熱を排出するスイカ、体内の湿気を除く作用のあるきゅうりや冬瓜などを適度に摂取することです。また生活の中では暑い時間帯の外出は避け、無理に汗をかかないようにします。冷えやすい人は直接冷房の風に当たらないような工夫も大事です。
暑い夏を元気に過ごすには、「汗をかきすぎないこと」がポイントとなります。
冷たいものの摂りすぎにも注意し、体の声をよく聞いて養生しましょう。