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大阪城の乾櫓・巽櫓・天守閣 ― 東洋哲学から読み解く布置

大阪城を歩いていると、石垣や堀の壮麗さに目を奪われますが、その配置を東洋哲学の観点から眺めてみると、また違った姿が浮かび上がってきます。

たとえば、北西の「乾櫓」と南東の「巽櫓」、そして中央にそびえる「天守閣」。
この三者は単なる建築物の集合ではなく、陰陽五行の象徴として理解することができます。

  • 乾櫓(北西)
     「乾」は易経で天を象徴する方位です。力強さ、父性、天の導きを意味します。大阪城における乾櫓は、まさに堅固な天の守り手として、城郭を見守っていた存在と言えるでしょう。

  • 巽櫓(南東)
     「巽」は風を象徴します。しなやかさ、流れ、調和を意味し、また東南は成長や繁栄の方角とされます。巽櫓は、乾櫓と対をなし、硬と柔、剛と順のバランスを体現していたと考えられます。

  • 天守閣(中央)
     そして中央に立つ天守閣は、大地の「中」を象徴します。乾と巽という二極の力を結び、統合し、城下を束ねる「太極」としての役割を担っていたのです。

こうして眺めると、大阪城の配置は単なる軍事上の合理性だけではなく、天地自然との調和を求める東洋哲学の感覚とも響き合っていたように感じられます。
乾櫓の剛毅と巽櫓の柔順、そしてその両者を抱きとめる天守閣。そこには「陰陽調和」や「天地人合一」といった思想が、石垣の上にそっと刻まれているのです。

そして、この「調和の思想」は、私たちの心身の健康にも通じています。
乱れた気の流れを整え、陰陽のバランスを取り戻すこと。それこそが漢方の本質です。

トカゲ堂医院ー あなたの身体に、乾櫓の強さと巽櫓のしなやかさを。