
中国美術史の中で、南北朝時代(5〜6世紀)は非常に重要な時期です。
当時の中国は、北と南に分かれてそれぞれ独自の文化を発展させました。
北朝の仏像は北方民族の影響を受けた、力強く引き締まった顔立ち。衣は直線的で硬質。精神性を強く表し、超越的な雰囲気を漂わせます。
南朝の仏像は優雅で人間味のある表情。丸みを帯びた体、流れるような衣文。柔和さと調和を大切にする南方文化の影響が感じられます。
このように、同じ「仏」を象りながらも、地域の気候・民族・思想の違いが形に現れたのです。南北の仏像を見比べると、まるで「陰」と「陽」が響き合うように感じられます。
漢方医学もまた、陰陽のバランスを重視します。北朝の仏像が示す「剛」陽と南朝の仏像が示す「柔」陰。この二つの調和が健康をつくり、心身を安らげる道へとつながります。
当院では、漢方の智慧を用いて体質や症状に合わせた処方を行い、患者さまの陰陽の調和を整えるお手伝いをしています。