
新疆ウイグル自治区のトルファンは、シルクロードの要衝として古代から栄えてきた地で、特にブドウの産地として知られています。干しブドウの生産は今も盛んで、芳醇なワインの名産地としても有名です。
中医学の古典『神農本草経』には、ブドウは「益気養血」「強筋骨」「補肝腎」などの効能を持ち、滋養に優れた果実として記されています。古来、旅人や兵士が体力回復のために食したとも伝えられています。
しかし現代のブドウは品種改良や糖度コントロール技術によって甘味が最大限まで引き出されています。そのため、秋の旬を楽しむ季節に「つい食べすぎてしまう」方が多く、実際にブドウの過剰摂取によって血糖コントロールが乱れ、HbA1cの上昇につながるケースも少なくありません。
ブドウは滋養豊かな果実ですが、糖尿病や糖代謝異常のある方は摂取量に十分注意が必要です。旬の恵みを味わう際は、適度な量とバランスを意識することが健康的な楽しみ方といえるでしょう。